異世界転生アニメが流行る中、無職転生はやはり、心理描写がとても繊細で、一流の声優ぞろいだなとやはり感じます。
特にルーデウス役の内山夕実さんは、ルーデウスの人間性…能力的には強いけど、メンタルが弱いところをしっかりと表現なされているなと思います。
前世の男=ルーデウスな訳であり、環境や仲間に恵まれただけで、性根というものは中々変えることができません。
前世の男(CV:杉田智和さん)のちょいちょい流れてくるナレーションは、やはりどこか後ろ向きで、ルーデウスの心のもろさというものを、やはり感じます。
第一話では廃人の様なルーデウスでしたが、冒険者パーティー「カウンターアロー」のメンバーのおかげもあり、徐々に生きる活力を得ました。
そして、「奉仕の精神」これを軸に、依頼をこなしていましたが…
何となく一期の時の様なはつらつとした、無邪気な姿というものは、見られませんでした。
その象徴として表れていた洞窟でふら付いたサラを救うシーン。
ルーデウスは、バランスを崩して倒れかかったサラを助けようと、腕でがっつりサラの上半身をホールド。
そのときに、サラの胸をわしずかみしてしまいました!!
いつものルーデウスだったら、あのむっつりスケベ顔でにやついたり、何かしらの反応があるはずですが…
ルーデウスは何の反応も示しませんでした。
生きるために必要な性欲的なものが、欠如していたのか…
ルーデウスは、生気を取り戻したように見えて、まだ生きる喜びの様なものを、見つけ出せていない、惰性で生きているように見えました。
そして、一番象徴的だったのが、ゾルダートとの酒場でのシーン。
ソルダートは、ルーデウスのどこか人生に対して諦めている感じに気づいていました。
ルーデウスに対しての「生きてて楽しいのか、楽しくないなら死んじまえ。」
ゾルダートの発言は、改めて振り返った見ると、すべて正論ですよね。
自分も含め、周りの人間たちが必死で生きている中で、それを蚊帳の外から見ているようなルーデウスの言動は、ゾルダートだけではなく、ルーデウスの周りを囲む人間に対しても奇妙に映ったのではないでしょうか。
そして、その後のルーデウスの発言
「すみません。目障りでしたよね。」
ここ、喋っているのはルーデウスですが、前世の男のひねくれた態度が出たように聴こえました。
この発言は、ゾルダートの怒りをかなり増大させてしまいましたね。
ここで少しでも食って掛かれば、
「あんたに、俺の辛さがわかるか!」や「俺だって、好きでこんな事しているわけじゃねーんだよ。」
など言い返すことができれば、戦況は変っていたのかもしれませんが…
ゾルダートの発言が図星過ぎて...
これは、ただ苦笑いし続けるしかできない、ですよね。
ただここのシーン、内山夕実さんの、痛いとこ突かれたときの息芝居。
鳥海さんの画にマッチした芝居。
そしてこの気まずい空間を作り出すキャスト人、本当に一流声優の集まりだなと改めて感じました。
二期は何というか、ルーデウスの内面的な成長物語ですよね。
環境が変わっても人は中々変われない。
エリスに見捨てられた悲しみを払拭することができるのか、非常に楽しみです。